2型糖尿病に対する経口血糖降下薬療法
作用と使い分け
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ここ数年2型糖尿病に対する様々な薬剤が発売され、その作用も明らかになっています。
個々の病態に応じた薬剤の使い分けや、作用の異なる薬の併用が可能となりました。

INDEX−−−経口糖尿病薬の作用
分 類 腸管からの
ブドウ糖吸収抑制
インスリン分泌刺激 肝糖新生抑制
糖放出抑制
末梢インスリン
感受性改善
 αグルコシダーゼ阻害剤 ++      
 ビグアナイド剤   +++ ++
 チアゾリジン系インスリン感受性改善剤     +++
 スルフォニル尿素剤   +++  
 速効型インスリン分泌促進剤   ++    
経口血糖降下剤の使い分け
各薬剤の分類または下図の薬剤分類名をクリックすると、それぞれの薬剤の詳細な解説にリンクしています
経口血糖降下剤の作用点
関連情報・・・低血糖−症状と対処の仕方−

1.αグルコシダーゼ阻害剤(α-GI)
■ αグルコシダーゼ阻害剤の作用と適応
作 用 小腸にある二糖類をブドウ糖に分解する消化酵素(αグルコシダーゼ)の働きを抑え、ブドウ糖の吸収を遅延させることで食後血糖の上昇を抑制する

αグルコシダーゼ阻害剤は血糖の上昇をなだらかにしてインスリン分泌の遅れに合わせる
速効型インスリン分泌刺激剤はインスリンを速やかに分泌することで食後血糖を抑える
適 応 インスリン分泌が保たれている肥満糖尿病例
やせ形でも有効例あり
製 剤 アカルボース・・・グルコバイ錠
ボグリボース・・・ベイスン錠
ミグリトール・・・セイブル錠
■ αグルコシダーゼ阻害剤使用上の注意
副作用 腹部膨満・放屁といった副作用があります
まれに腸閉塞様症状・重篤な肝障害
注意事項 食事の直前に内服しないと効果がない(10分以内)
SU剤やインスリンと本剤併用時の低血糖に対してはブドウ糖投与が必要
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2.ビグアナイド剤(BG剤)
■ ビグアナイド剤の作用と適応
作 用 主として肝臓での糖新生抑制
他に末梢での糖利用促進、消化管からの糖吸収抑制等
体重増加を来しにくく、肥満型の糖尿病に使いやすい
SU剤との併用
適 応 食後のインスリン追加分泌が低下し、食後血糖が上昇している軽症糖尿病
製 剤 メトフォルミン・・・メルビン錠
ブホルミン・・・ジベトスB錠
■ ビグアナイド剤使用上の注意
副作用 胃腸障害
極めてまれに乳酸アシドーシスという重篤な副作用を起こすことがある
注意事項 重症の肝障害や腎障害には使えない
高齢者・飲酒者・進行した動脈硬化症例でも要注意
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3.チアゾリジン系インスリン感受性改善剤(TZD剤)
■ チアゾリジン系インスリン感受性改善剤の作用と適応
作 用 末梢筋・脂肪組織でのブドウ糖取り込み促進、肝臓での糖新生抑制・糖取込促進
脂質代謝改善作用
脂肪細胞の分化促進、インスリン抵抗性惹起物質減少、アディポネクチン増加

インスリン抵抗性とはインスリンの無駄遣い
適 応 肥満がありインスリン抵抗性が強い糖尿病、インスリン分泌が保たれている
SU剤・インスリン注射との併用
製 剤 ピオグリタゾン・・・アクトス錠
■ チアゾリジン系インスリン感受性改善剤使用上の注意
副作用 浮腫、貧血を来すことがある
特に急激な水分貯留で心不全を発症・増悪させることがある
類薬(トログリタゾン)で重篤な肝障害
注意事項 心不全患者への投与は禁忌
浮腫以外に過食による体重増加に注意
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4.スルフォニル尿素剤(SU剤)
■ スルフォニル尿素剤の作用と適応
作 用 膵臓のβ細胞を刺激してインスリンの分泌を増やす
グリメピリドはインスリン感受性改善効果も併せ持つ
血糖降下作用は最も強力
肥満があると使いにくい

スルフォニル尿素剤は全体にインスリン分泌を刺激するので食前血糖も下がる(下がりすぎに注意)
速効型インスリン分泌刺激剤は食後血糖を抑えるが、食前血糖を下げる効果は弱い
適 応 インスリン分泌が低下し、食事・運動療法で十分な改善が得られない症例
空腹時血糖も上昇してきているような状態
製 剤 グリクラジド・・・グリミクロン錠
グリベンクラミド・・・オイグルコン・ダオニール錠
グリメピリド・・・アマリール錠
■ スルフォニル尿素剤使用上の注意
副作用 低血糖症、食欲亢進
注意事項 食事療法が守れないと体重増加を来しやすい
※インスリン分泌刺激作用の弱いグリメピリドは体重増加を来しにくい
二次無効
治療を続けているうちに効果が減弱してくる
高血糖による膵β細胞の疲弊
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5.速効型インスリン分泌促進剤
■ 速効型インスリン分泌促進剤の作用と適応
作 用 膵臓のβ細胞を刺激してインスリンの分泌を増やすが、SU剤に比べて速やかに吸収され血中半減期もかなり短くなっている。
食直前服用により投与後1時間をピークとする早期インスリン分泌がおこり食後血糖上昇を抑える。2時間で元に戻ります。
インスリンが遅延過剰分泌を示し肥満を来しやすいような軽症糖尿病では、速やかなインスリン分泌により遷延する血糖上昇とそれによる過剰なインスリン分泌が抑えられる可能性も指摘されています

速効型インスリン分泌促進剤とα-GI剤の違い

速効型インスリン分泌促進剤とSU剤の違い
適 応 食後のインスリン追加分泌が低下し、食後血糖の高い軽症糖尿病
製 剤 ナテグリニド・・・スターシス・ファスティック錠
ミチグリニド・・・グルファスト錠
■ 速効型インスリン分泌促進剤使用上の注意
副作用 低血糖症
注意事項 食事の直前に内服しないと効果がない(5-10分以内)
食前30分では、速やかなインスリン分泌のため低血糖を起こすおそれがある
食後の服用では速やかに吸収されないため食後血糖の上昇を抑えることはできない
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6.経口血糖降下剤の使い分け
2型糖尿病に対する経口血糖降下剤は、作用を知った上で個々の病態に合った薬を選択していくことが重要です
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