第23回 サロマ湖100kmウルトラマラソン 完走記
2008年6月22日

エゾスカシユリ(ワッカ原生花園)
 初ウルトラマラソンが2003年のサロマ湖100kmUMだった。何とか完走したものの、あまりのきつさにもう二度とウルトラは走るまいと決めていたが、その年に玄海100kmに参加して以降、ウルトラへとシフトしていく。のめり込んだきっかけは玄海100kmでの温かいもてなしだったのだが、サロマ湖100kmがなければウルトラを走ることはなかっただろう。
 それなのになぜかサロマ湖を敬遠してきた。遠い、移動に時間がかかるし、参加費・遠征費もバカにならない。ただ北海道は好きだった。初ウルトラの前回、カメラを持って走らず、ワッカ原生花園など写真を撮らなかったこともちょっと心残りだった。
 そんな時、知人からウルトラ初挑戦でサロマ湖に参加したいので一緒に行きませんか、と誘われた。ちょうど開業して15年、せっかく北海道に行くなら、、、遠征ついでに3日間の休診を決めた。

 2003年にこの大会を走って以降、5年間でウルトラ参加は20回を超えた。先月の萩往還250kmでウルトラ20回目の完走を狙っていたが、練習不足でそう簡単に完踏できるほど甘くはない。ということで今回のサロマ湖にウルトラ20回目の完走がかかった。
 5年前は初ウルトラでペースがわからず、前半飛ばして後半失速した。その失敗は繰り返さないようにしようと思う。従って今回は終始イーブンペースで走るというのが目標だった。しかし抑えすぎて関門に引っ掛かったのでは意味がない。コースはほぼ平坦なので、手抜きするところは無い。ある程度のスピードを維持しつつ、どこまでイーブンペースが保てるか、練習不足の状況で果たしてそれだけの走力が残っているかが問題だった。
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 6月21日 土砂降りの北九州から北海道へ
■ 梅雨まっただ中の北九州から脱出

土砂降りの北九州空港
 今回の北海道遠征は、産業医大RCのメンバーと一緒である。ただし自分以外の二人は東京に転勤となり、羽田で合流することになっていた。13時前に仕事を終え、北九州空港へ向かう。土砂降りだったがバスは定刻に空港着、搭乗手続きを済ませ、荷物を預けてビールを飲む。ANAの共同運行なので女満別までと言って荷物を預け、一旦は受け取ってくれた。しかしその後、SFとAirDOと運行会社が違うので通しでは預かれないと言われた。それどころか使用機材遅れで出発が遅れ、羽田で乗り継げないかもしれないと言われた。席だけは最前列に変えてくれたが、SF機は25分遅れで出発。羽田に着いたらバスで移動して、空港ビル内を端から端までダッシュして移動、、、間に合わないかもしれない。
 羽田着陸後、直ぐに席を立つ。CAに乗り継ぎの話をしたら、直ぐに地上係員に申し出てくださいと言われた。飛行機を降りるとそこに一台、車が用意されていた。その車で空港内を移動、AirDO搭乗口まで連れて行ってもらい無事、女満別行きに間に合った。
■ 5年ぶりの北海道も雨

無事、羽田空港でAirDO機へ
 羽田で産業医大RCの二人と合流。19時過ぎに女満別空港に着いたが、北海道も雨。ちょっと寒い。空港にはみきみきさんが迎えに来てくれたが、今回は宿の手配や前日受付など彼女を含めビール飲み隊にはいろいろお世話になりました。
 20時過ぎ、今夜の宿、常呂町の船長の家に着き、早速、夕食。食事は良い方に裏切られた。カニ尽くし、とても食べきれる量じゃない。感激して、別の民宿に泊まっている走るウルトラ飲兵衛氏にメールを送った。ビールを飲み、酒を飲み、満腹。
 ウルトラマラソンの朝は早い。それを知ったのも5年前のこの大会。その時は既に20時には晩飯も済ませ、寝たのだった。しかしその後は次第に慣れて前日でも遅くまで飲むようになった。今回も到着が遅くなったこともあって、寝たのは23時頃だった。酔っていたので直ぐに爆睡。一方、初ウルトラの二人は緊張もあって、あまり眠れなかったらしい。走りに影響しないといいけどと気にはなったが。
船長の家で前夜祭


 6月22日 サロマ湖100kmウルトラマラソン大会編
■ 船長の家から湧別町へ
 AM2時起きで支度をする。外はまだ真っ暗、霧雨が降り、ちょっと冷え込む。スピードランナーには良さそうだが、ゆっくり走ったら身体が冷えそうだ。ウェアは長袖・ロングタイツとした。湧別町のスタート地点まではマイクロバスで移動する。ちょっと距離があるので、移動中に弁当を食べる。その弁当にはメッセージが添えられていた。無理矢理腹に詰め込み、4時に会場着。夜が明けて明るくなってきたが気温10.3℃、ちょっと寒い。早くもトイレには長蛇の列、済ませてからUMMLerの記念撮影に行こうとしたが、間に合わなかった。マユサさん等と3人だけで記念撮影、産業医大RC組とも記念撮影、その時、呼び出し放送。北九州ウルトラRCメンバーで北海道在住のKさんだった。記念撮影して、一緒にスタート地点へ向かった。
船長の家〜会場

船長の家を出発

車内で朝食

湧別町のスタート時は小雨、気温9℃

UMMLer記念撮影に間に合わず

サロマ湖で初対面の北九州ウルトラRCメンバー

産業医大RC
■ 前半の部:スタート〜55km・レストステーション
前半所要時間
距離 Split Lap
5km 0:32:19 32:19
10km 1:02:49 30:30
15km 1:34:05 31:17
20km 2:04:04 29:59
25km 2:42:38 38:34
30km 3:13:08 30:30
35km 3:45:29 32:21
40km 4:20:32 35:02
45km 4:52:49 32:16
50km 5:30:40 37:52
55km 6:13:22 42:41
 100kmの部はAM5時にスタートする。年々、参加者が増え、今回は約3000人が走る。スタート地点通過に3分かかった。スタートしてしばらくは湧別町を行ったり来たりする。これはと言う見所はないし、天気も良くないし、まずはペースをつかむことにする。最初の5kmは32分、次の5kmは30分、それほどきつくはなかった。初ウルトラのメンバーとははぐれてしまったが、サポートするだけの力はない。10kmを過ぎると早くも竜宮台を折り返してきたランナーとすれ違う。産業医大RCの後輩がそろそろ来るかもしれないと思い、デジカメの電源を入れたまま走る。20番目くらいだっただろうか、後輩の姿が見えたので写真を撮って声援を送る。竜宮台折り返し手前で、走るウルトラ飲兵衛氏らともすれ違う。1:50で竜宮台を折り返す。天気が良ければ美しいサロマ湖が見えるところだろうが、今回もまたどんより曇り空、鉛色のサロマ湖が見えるだけだった。
 折り返して20kmは2:04で通過、ほぼ設定通りのタイム。しかしトイレに駆け込み、5-6分のロス。トイレから出てきたところで、ゴールドゼッケンのグランドブルーメンバー・Yさんに会った。竜宮台への折返し、もう一人の産業医大RCメンバーとは会えなかったが、トイレに入った時にすれ違ったのだろうか。コースはサロマ湖を離れ、湧別町を再び行ったり来たり。30km手前でビール飲み隊の応援団を見つける、でもビールはゴールしてからと言われた。30kmは3:13で通過、トイレ休憩を除けば、5kmを30-31分くらい。そのペースを維持して35kmも通過。
 しかしこの辺りから睡魔に襲われ、ちょっとペースが落ちてきた。道路脇でゴロリと横になろうかと思ったが、幸いsatuki28さんに声をかけられ、しばらく併走。おかげで目が覚めた。40kmまでの5kmは35:02とちょっと落ちたが、その後は持ち直した。42.195km・フルのポイントは4:34、50kmは5:30で通過、それぞれ初ウルトラの時より20分と30分の遅れだったが、当初の予定通りで、焦りはなかった。
 50kmを過ぎると少しアップダウンが出てくる。と言っても玄海100kmなどに比べたらかわいいもので、余裕で走り切る。そして55kmのレストステーションへ。
前半の部

AM5時、スタート

12km付近、竜宮台を折り返してきた後輩

竜宮台折返し

地元の中学生に元気をもらう

ビール飲み隊の応援

30km付近、まだ湧別町です

40km手前のエイド

ようやくフルマラソン
サロマ湖は相変わらずの鉛色
■ 後半の部:55km〜ゴール
後半所要時間
距離 Split Lap
60km 6:46:06 32:45
65km 7:27:40 41:34
70km 8:10:46 43:06
75km 8:49:57 39:01
80km 9:33:01 43:14
85km 10:09:12 36:11
90km 10:49:04 39:52
95km 11:34:57 45:53
Goal 12:11:58 37:01
 前回大会、55kmのレストステーションでは長く休みすぎ、後半、全く足が動かなくなった。そのため今回は荷物を預けず、おにぎり1-2個と飲み物だけで直ぐにスタートした。60kmまでの5km、32:45とペースは落ちていなかった。サロマ湖は相変わらずの鉛色、退屈だ。困ったことに60km付近から腹が空きだした。低血糖、ペースが上がらない。ここまでの補給が少なかったようだ。幸い、65km付近は私設エイドがいくつかあり、こまめに糖分を補給しながら走った。5km40分前後とペースは落ちていたが、想定内。焦らず無理せず70kmまで行こう、そうすればお汁粉がある。
 そして70kmエイド着、ところが、、、楽しみにしていたお汁粉は既に品切れだった。ガックリ、力が抜けて座り込む。しばらく休憩しながら、初100kmの後輩にTelしてみた。なんと7時間台、7位でゴールしていた。やるなぁ、負けてはいられない。ゴールへ向かおう。
 70km過ぎ、天気が良くなってきた。それまで鉛色だったサロマ湖は、美しいサロマンブルーに。雄大で美しい景色を眺め、足取りも軽く、といけばいいが、そう簡単にペースは上がらない。
 80kmを9:33で通過、ワッカへと向かう。サロマ湖終盤の難所、アップダウンの連続で、初ウルトラの時は殆ど歩いてしまった。さすがにここまで来てちょっと胃の調子が悪くなってきたが、今回は何とか走れていた。なにより一番の見所、楽しみにしていたワッカだけ運良く晴れたのが嬉しかった。ゆっくり走り続けてきたランナーへのご褒美?。コース両側に美しい真っ青なサロマ湖とオホーツク海が広がり、エゾスカシユリ・ハマナスなど多くの花が咲き、多くの知り合いとのすれ違い、退屈しなかった。何度も立ち止まって、多くの写真を撮った。ワッカを折返し、最後90kmの関門も無事に通過。残り、歩いても間に合いそうだ。エイドでスイカを食べたり、のんびりしすぎて95kmまでは46分も要した。ワッカを出てから少しまじめに走り、そして12時間12分でゴールした。
 ウルトラで20回目の完走、といってもあまり感動はなかった。終始イーブンペースで走り切り、淡々とゴールを駆け抜けた。タイムは平凡だし、取り敢えず完走して一安心という感じだった。でもゆっくり走ったおかげでワッカ原生花園では美しいサロマ湖を見ることもできたし、良しとしよう。
後半の部

キムアネップの森

氷を持って来てくれた少年

少女の向こうには、リタイヤしたあの方が

対岸がワッカへの道

ワッカ原生花園:正面はオホーツク海

ワッカ原生花園:ハマナスとサロマ湖

ビール飲み隊と記念撮影

産業医大RCの後輩二人

ワッカ原生花園:エゾスカシユリとサロマ湖

ゴール
サロマ湖100kmウルトラマラソン完走証
■ サロマ湖100kmUMが終わって
 この日の宿は格安だが、素泊まり。そのため、さよならパーティーでしっかり飲み食いすることになった。カニやビールなどふんだんに用意されていたが、胃に負担がかかったか、ちょっと吐き気がしてあまり食べられなかった。ただし足のダメージはそれほどでもなかった。
 翌朝、東京に帰る走るウルトラ飲兵衛氏が借りたレンタカーに後輩と便乗して、女満別空港へ。二人を見送り、レンタカーを借りて、美瑛・富良野へと向かった。
サロマ湖100kmUMさよならパーティ

100km完走して元気に歌う高石ともやさん

高石ともやさんと記念撮影
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